スズメバチの危険性

スズメバチは、動物由来の死亡事故原因No.1

スズメバチの危険性は現在テレビなどでもほぼ毎年取り上げられるほど周知されてきましたが、「日本における動物による死亡者数」(図1)を見ると、その危険性は明らかです。 図1:日本における動物による死者数

図1 日本における動植物による死亡犠牲者数統計(厚生労働省人口動態調査より改変)

クマやヘビと比べても、格段に死者数が多いのがわかる。

ハチ類の活動範囲は森などの自然環境だけでなく、人間の生活圏と重なっており、個体数も多いので、人と遭遇する確率が、他の動物より格段に高いのです。 つまり、日常生活を送る中で「誰しもが遭遇する可能性のある危険」であると言えます。

図2 蜂刺傷による全国の死亡者数(厚生労働省人口動態調査による)

近年は死者数が減ってきたとはいえ、2000年を過ぎても一定数の死亡者数が発生している。

スズメバチの針には毒があり、人が刺されるとその毒素が体内に入ります。刺された患部が赤く腫れあがり、熱を持ち、強い痛みに襲われます。
一度刺されただけではめったに死に至ることはありませんが、集団のスズメバチに襲われたり、何度も刺されると重症化していきます。最悪の場合、重篤なアレルギー症状(アナフィラキシーショック)を引き起こし、死に至る場合もあるのです。


スズメバチの種類

スズメバチ科に属するハチは67種もありますが、特に危険なスズメバチは、スズメバチ属の8種と言われています。特にオオスズメバチやキイロスズメバチは、私たちの身近にいることも多く、危険性が高いと言えます。

・オオスズメバチ:土中、樹洞などに巣を作る
・キイロスズメバチ:樹木や軒下に巣を作る
・コガタスズメバチ:生垣や草むらに巣を作る
・モンスズメバチ:生垣や草むらに巣を作る
・ヒメスズメバチ:攻撃性はそれほど強くない
・チャイロスズメバチ:中部地方以北が主な生息域
・ツマグロスズメバチ:南西諸島が主な生息域
・ツマアカスズメバチ:対馬だけにいる外来種。いずれは本州にも!?


特に危険なオオスズメバチ

オオスズメバチ

世界最大のスズメバチ。体長は40mm前後、女王蜂は55mm前後にもなる。
木の根元、土中、樹洞に巣を作る。


スズメバチに襲われるケース

スズメバチに襲われるケースは、主に下記の2つの場合が考えられます。
いずれも知らない間に危険に近づき、突然襲われる場合が多いことがわかります。


餌場(樹液)に近づく

餌場。樹木の表面が樹液で濡れている。

知らずに餌場(樹液)に近づく

警戒音(カチカチと顎を鳴らす音)に気が付かない

知らずに近づく

攻撃される



巣に近づく

オオスズメバチは、木の根元や土の中に巣を作るので非常にわかりづらい。

知らずに巣に近づく

見張りのハチに気が付かない

見張りのハチを手で追い払おうとする
or
知らずに近づく

攻撃される


繰り返し襲ってくるスズメバチの恐ろしさ

スズメバチの恐ろしさは、最初に攻撃をしてきたスズメバチが「警報フェロモン」を出して、他のスズメバチを呼ぶことです。警報フェロモンで興奮した仲間のスズメバチがすぐに集団で襲ってくるので、一度刺されると次から次へと集団で襲われ、逃れられなくなり、救助も困難な状態になります。
命を守るために、事前になるだけ危険に遭遇しないよう予防策を取る、またはもし襲われてしまっても速やかかつ安全にスズメバチから逃れることができるよう対策をしておくと安心です。


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