忌避剤「スズメバチサラバ」は、これまで効果のある忌避・殺虫剤のなかったオオスズメバチも含め、スズメバチ類・アシナガバチ類が嫌う香り成分を活用した安全かつ画期的な忌避・攻撃本能消失剤です。
これまでのスズメバチ対策
従来のスズメバチ類予防・防除のための一般的な方法とは、以下のようなものでした。
・防護服(白い服、白い帽子)の着用:ハチが寄ってくることを防げない
・ハチ毒吸引品、エピペン注射器を携帯:刺された後の対策でしかない
・スズメバチ用誘引トラップ(砂糖、酒等の混合液)設置:完璧には防げない
・合成ピレスロイドを用いた忌避剤・殺虫剤の使用:オオスズメバチには効かない
確実な効果を示す忌避剤はまだない。
スズメバチが嫌う香り成分を発見
そこで私たちは、スズメバチ被害を確実に防ぐ方法はないかと研究を始めました。その中で、スズメバチが「好む樹液」と「嫌う樹液」があることに気が付きました。
「嫌う樹液」と「好む樹液」との比較研究を行ったところ、「嫌う樹液」の中から、スズメバチが嫌う成分として、「2-Phenylethanol(フェネチルアルコール)」を見出しました。また、近縁の「Benzyl alcohol(フェニルメタノール)」にも同様の活性があることを明らかにしました。
安全性の高い忌避成分
スズメバチが嫌う香り成分「Benzyl alcohol」は、食品添加物(香料)にも用いられている成分です。
自然界では、花の香気成分として知られています。
環境的にも、人体に対しても有害性はなく、安全性が高い成分といえます。
忌避剤「スズメバチサラバ」の効果
下の効果動画をご覧いただくと、その効果は一目瞭然です。
●スズメバチサラバの効力(VS キイロスズメバチ)
動画解説
何も処理していない黒球にはたくさんのスズメバチが寄ってきています。 一方、忌避剤「スズメバチサラバ」をかけた黒球に近づいたスズメバチは黒球を避けるばかりか、慌てて逃げていきます。
●スズメバチサラバ オオスズメバチに対する効果
動画解説
オオスズメバチに忌避剤「スズメバチサラバ」を吹きかけると、地面に落ちて攻撃性をなくしてしまいます。嫌いな香り成分が身体にまとわりつき、パニックを起こしているからです。
忌避剤「スズメバチサラバ」がかかっている状態のスズメバチは、「嫌さ」が先に立ち、攻撃本能を失います。
●スズメバチサラバ アシナガバチの巣撤去
動画解説
忌避剤「スズメバチサラバ」はアシナガバチにも効果を発揮します。
忌避剤「スズメバチサラバ」吹きかけた後、素手で巣を除去しようとしても攻撃をしてきません。
図3 捕殺トラップに誘引されるスズメバチに対する忌避剤の影響
ブドウジュースを使った捕殺トラップ(対照)には、たくさんのスズメバチ類が誘引されます。一方、ブドウジュースに5%濃度の忌避剤を入れ(被験液A)ても、1%濃度の忌避剤を入れ(被験液B)ても、まったく、スズメバチ類は誘引されません。ブドウジュースというとっても魅力的なエサがあっても、この忌避剤はスズメバチ類を寄せ付けません。
忌避剤「スズメバチサラバ」の優れている点
・殺虫剤ではなく忌避剤である:生態系を壊さない
・ハチを退けるだけでなく攻撃性も奪う:刺される被害を少なくする
・オオスズメバチに対しても効果がある:スズメバチの種類を選ばない
・安全である:既に安全が証明されている成分
・スズメバチ類による被害を予防できる!
実は、スズメバチは単なる害虫ではなく、農林業分野では害虫を駆除してくれる益虫でもあります。単にスズメバチを殺してしまうだけでは生態系のバランスを崩すだけでなく、私たちの生活にも影響を及ぼします。
その点「スズメバチサラバ」は、”忌避”剤のため、生態系を壊すことなく、スズメバチの被害を防ぐことができます。
また忌避剤「スズメバチサラバ」に使われている有効成分は、香料や食品添加物として幅広く使われているもので、人体に対して安全です。たとえば、ミツバチ保護剤として使用する場合も農薬登録の必要はなく、巣外に設置する場合は動物薬登録の必要もありません。
従来の方法より安全性が高く、また確かな効果があり、取り扱いやすい忌避剤「スズメバチサラバ」は、様々な用途に活用が期待できます。